淡路島暮らしを決めるまで(2)

光のシャワーに導かれるようにして「津井」という町を再度訪れた私たち。
「貸し店舗」と書かれたお店の駐車場に車を停めて、あちこち散策してみました。
すると、目の前の高台にきれいな小学校がありました。
夏休み中で学校には誰もいないようでしたが、
裏門が開いていたのでちょっと校庭に入ってみました。

その小学校は、円柱型の校舎に淡路瓦が現代風に使用されていて、
床にも波をあしらった淡路瓦が所々にはめ込まれている、とてもユニークな学校でした。
地元の文化と子供たちへの愛にあふれた温かな雰囲気を感じて、
「この学校に息子を通わせたい!」と瞬間的に思ったのです。
あまりに嬉しくて、校門の前で息子と記念写真をパチリ。
当時3歳の息子はお腹がすいたとふくれっ面でしたが、私は満面の笑みでした^^

夏休みの終わったある日、津井への思いが高まった私はネットで物件を探し始めました。
海岸沿いに面している町のせいか、見つかったのはリゾート物件ばかりでしたが
それでもとにかく見てみよう!と、いくつか物件を見せてもらいました。

そこでわかったことは
・淡路島の西海岸は、冬は風が強いため寒い。
・内陸の方が住みやすい。
・地元の人は空いている家があってもあまり不動産屋に出さない。
ということでした。

そこで、南あわじ市の内陸の物件も見せてもらいましたが
やっぱり・・・違う。
不動産屋さんとお別れした私たちは、また津井に行ってみました。
最初に出会った光のシャワーの場所、「キラキラスポット」を目指して。

そこは、日本昔話に出てくるような可愛らしい古民家が数件並び、
その前には手入れされた緑の敷地が一面に広がっている場所。
妖精たちがおいでおいでと誘ってくれているように、自然と足が向いていきます。
青々とした草の上には、傾きかけた太陽の光がたくさん降り注いでいました。

ふと「この家主さんに家か土地を貸してもらえないか、聞いてみよう!」と思い立った私は、
古民家のブザーを鳴らしてみました。

しーん・・・
「ごめんください〜」声をかけてみても誰も出ません。
お留守なのかな?

さすがに個人宅を一軒ずつまわるのは気が引けたので、
近くの商店に行って聞いてみることにしました。
小さなお店らしき建物があったので、開いているかな?と覗き込んでいると
「どうしたの?」
お向いの衣料品店から女性が声をかけてきました。

「この辺りがすごく気に入って・・・どこかに空いている家はないかな〜と思って探しているんです」と話すと、
その女性は「そうなの。ここのどこが気に入ったの?」と意外な突っ込み!
私たちがこの場所の素晴らしさ、淡路島の良さをとくとくと述べていると
「実はね、来年の春にあそこの部屋が空くんだけど、そこはどうかしら?」と
近くの倉庫を指差しました。

え、倉庫???
あそこに人が住んでいるんですか?!

聞くと、1階は衣料品店の倉庫として使っているけど
2階は住居スペースになっていて、現在ご家族が住んでいるのだそう。
ちょうど来春に空くということなので、私たちにとってもまさに願ったり叶ったり☆

衣料品店に入ってお茶をいただきながら世間話をしていると
なんと、その店主ご夫妻と同居している息子さんご夫妻の子供(男の子のお孫さん)が、倉庫の隣にある幼稚園に通っているとのこと。
しかもうちの息子と同い年だそう!

なんかもう、奇跡的な出会いに感動しました。
一気に住まいと幼稚園、小学校まで決まりそうな流れに、信じられないくらい☆

その日は、倉庫のお部屋が空く時期がわかったら連絡をくださいとお願いして
津井を後にしました。
2012年9月中旬のことでした。

(続く)


その日の瀬戸内海。この海が私たちを呼んでいました。


Categories: インスピレーション, 淡路島暮らし | 投稿者 arciel | 11:50 | 1件のコメント