KIN 230
縄文土器とゼルダの伝説
先月、新潟市の実家へ帰省する際に上越に立ち寄り、十日町市博物館を訪問しました。
お目当ては、所蔵されている国宝の火焔型土器。
東京国立博物館の縄文展も気になっていたのですが、十日町で見ることができてよかった^^
実はこの夏、私は生まれて初めてゲームにはまりました。
それが「ゼルダの伝説」(Switch版)です。
これまでゲームには全く興味はなかったのに、
美しい風景に惹かれてゼルダだけはやってみたいと思うようになり、
初めて自分でソフトを購入したのです。
その中で「ガーディアン」という古代の機械兵器が登場するのですが、
デザイナーの方によると、このフォルムは火焔型土器をモチーフにしているそうなんです。
(『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド マスターワークス』p.199より)
リンクの後ろで青い光を放っているのがガーディアン。火焔土器を逆さにしたデザインだそう。
長い足で移動も可能。
このガーディアンの元である火焔型土器をどうしても息子に見せたくて、
十日町市博物館を訪問することにしました。
博物館に入るとすぐに火焔型土器のレプリカがあって、実際に触れることができます。
この色彩と渦巻き模様はまさにガーディアンそのもの!
(って、こっちがオリジナルですが^^;)
そして国宝の火焔型土器はこちら。
このフォルムの大胆な美しさはずっと見ていても飽きません。
縄文土器というと、岡本太郎氏も絶賛した火焔型土器が一番有名ですが、
この博物館には火焔型土器以外の土器もたくさん展示されていて、
縄文の人々が様々な模様の土器作りをしていく中で、火焔型を発展させていったことがわかりました。
火焔型は実際に使用するには使いづらい形状のようですが、
おこげが付着していることから煮炊きにも使用されていたとのこと。
実用性を超越した遊び心と自由な表現力に、縄文の人々の豊かでのびのびとしたエネルギーを感じます。
息子も、5000年も前の人々がこのような土器を作っていたことに「昔の人はすごい」と驚いていました。
縄文時代のくらしを再現したコーナーでは、ほのぼのとした生活の様子にほっこり^^
たぶん、この模型を作った人は縄文時代が大好きなのだろうな〜と思うほど、
家族全員が幸せそうな表情をしているのが印象的。
今よりもずっと不便で食糧が足りない時もあったはずですが、
炉を囲んで家族が寄り添い、生活をしている様子がとてもあったかく感じられます。
博物館から車で少し移動すると、笹山遺跡がありました。
復元された竪穴式住居。
中は思ったより涼しく、とても快適。火焔型土器もさりげなく置いてあります。
笹山遺跡の近くには、お地蔵さんがずらりと並んでいるのですが・・・
この光景がゼルダの伝説のお地蔵さんが並んでいる風景にそっくりでびっくり!
ゲームのデザイナーさんも、実際に笹山遺跡を訪れてインスピレーションを得たのかも♪
「ゼルダの伝説」は、広い風景をあちこち自由に歩き回って旅をすることができるのが魅力で、
時間とともに変化する光や風、天気の様子もリアルに表現されています。
ゼルダを体験した後に訪ねた縄文遺跡は、
ゼルダの世界観とリンクして自然の風景が新鮮でより生き生きと感じられました。
笹山遺跡に祀ってある縄文の神様(大祖神、地母神)。
素朴ながら自然への親しみと畏敬の念が感じられて、なんとも愛おしい♡
土器や土偶に表現された縄文人のおおらかな感性は、
私たち現代人に癒しと開放感を与えてくれるような気がします☆
Discover Japan(ディスカバージャパン) 2018年 9月号
ディスカバージャパン編集部
ゼルダの伝説 30周年記念書籍 第3集 THE LEGEND OF ZELDA BREATH OF THE WILD:MASTER WORKS ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド:マスターワークス
ニンテンドードリーム編集部
Categories: アート | 投稿者 arciel | 17:51 | コメントはまだありません