「星の銀貨」が教えてくれたこと

土曜日は息子が通うシュタイナー幼稚園、くすのき園のクリスマス会でした。
夕方から始まったクリスマス会は、子供たちがキャンドルを一つ一つ持ってきて
だんだんとほのかな明かりが集まっていくところから始まりました。

続いて、子供たちは東方の三博士が星の導きに従って旅をして
イエス様の誕生をお祝いするまでの様子を劇で表現してくれました。

息子は羊飼いの役。
「わたしは小さな羊飼い」と言いながら、羊役のお友達を先導して歩いて行きます。
(白い布を頭に巻いた羊役の子供たちはもうめちゃ愛らしかったです!)
4人の羊飼いの中で、一人腰を曲げて老人風の演技をしている息子。
これは彼なりの工夫なのかな?とドキドキしながら見守っていました。

可愛らしい劇の後で、先生方が「星の銀貨」の人形劇を見せてくれました。

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むかしむかし、あるところに、小さな女の子がいました。
お父さんもお母さんも死んでしまって、
女の子の持っている物は着ている服とたった一切れのパンだけでした。

道を歩いていると、女の子はお腹をすかせた人や帽子のない人に出会います。
女の子は持っていたパンや帽子、洋服をその人たちに差し出しました。

とうとう下着姿になってしまった女の子。
でも最後の下着すらも、「もう暗いから、裸だってかまわないわ」と言って、
下着をくださいと言った人にあげてしまいました。

すると、天から星が落ちてきて、それはきらきら光る銀貨になりました。
気がつくと洋服を身に着けていた女の子は、
その銀貨とともに幸せに暮らしました。

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実は私、このお話が子供の頃から苦手だったのです。
「お父さんもお母さんも死んでしまって・・・」という冒頭部分からすでに悲しくなり、
出会う人に持っている物をみんなあげてしまって、
最後は裸ん坊になる・・・というくだりを聞くと
「どうして出会った人は両親もいない女の子から何かをもらおうとするのだろう?
下着までもらおうとするなんて、あまりにもかわいそう」と思っていました。

でも、今回のお話はやわらかい羊毛の人形で語られていたので、
私自身がリアルにその光景をイメージすることがなかったためか、
それほど悲しくなりませんでした。
そして最後に天から星が降ってきたというくだりを聞いたら
やっとこのお話の意味がわかりました。

「執着をすべて手放した時に、恩寵がやってくる」

あぁ、このお話が語っているのはこのことだったんだ!
ほとんどの人はこのお話を聞いてすぐにこの意味に気づかれるのかもしれませんが、
私は子供の頃に抱いたイメージがあまりにも強すぎて、
真の意味に気づくまでこんなに時間がかかってしまいました^^;

これは、私にとって素晴らしいクリスマスプレゼントとなりました。
強く握りしめていた手を離すと、そこに善きことがやってくる・・・

帰りは雨が降っていましたが、自転車で濡れながらも清々しい気持ちでいっぱいでした。
素敵なお話をありがとうございました☆


Categories: シュタイナー教育, 子どもとの生活 | 投稿者 arciel | 10:53 | コメントはまだありません