クジラの島の少女

ニュージーランドの先住民、マオリ族の族長の家系に生まれた少女の物語。

女として生まれたがゆえに族長の跡取りと認められず、不思議な才能がありながら祖父から部族の伝統を教えてもらうことができない少女と、少女を愛しながらも伝統を重んじて厳しく接する祖父の葛藤が切なく、女性が神聖なことに関わることが許されなかった伝統の重みを深く感じさせました。

少女の悲しみに応えてクジラが大量に浜に打ち上げられたシーンは圧巻で、人々が必死になって海に戻そうとするところでは、先日のイルカが打ち上げられたニュースを彷彿とさせます。
何十人もの大人が車を使って力ずくでも海に戻せなかったクジラが、少女の純粋な行動で海に帰っていく。真の「力」とは何なのかがここに描かれているように思いました。

一人のリーダーが引っ張っていくのではなく、糸が合わさって強い縄になるように、みんなが一人一人協力しあえば素晴らしい未来を築くことができるという少女のメッセージは、新しい時代に必要なリーダーシップを感じさせます。

闘うのではなく、互いに協力し合うことの大切さ。
オーラソーマのオリーブグリーンの「フェミニンズ・リーダーシップ」、「競争ではなく協同創造を」というメッセージが、この映画にはとてもよく描かれているように思います(それと、じっと辛抱して平和をつかむことも!)。

少女役のケイシャ・キャッスル=ヒューズの演技とニュージーランドの風景が心に新鮮な風を吹き込んでくれる、とても素晴らしい映画です。
最近オリーブグリーンが気になっているという方、ぜひお勧めですよ♪

クジラの島の少女
ケイシャ・キャッスル=ヒューズ ニキ・カーロ
B00023GS1K



Categories: 映画 | 投稿者 arciel | 18:03 | 4件のコメント

4 Responses to “クジラの島の少女”

  1. マーシャル 4月 11th 2006 at 10:55 pm 1

    こんにちわ!
    新しい時代のリーダーシップについてもっと知りたいですね。今度、お会いした時に、是非、詳しい話を教えてください。真の力というのにも興味しんしんです。

  2. arciel 4月 12th 2006 at 09:35 am 2

    >マーシャルさん
    この映画を観た時に、タロットのstrengthの力ってこういうことなのかな?って思いました。
    とてもいろいろなことを教えてくれる映画です。機会があったらぜひご覧になってみてください♪

  3. mami 4月 13th 2006 at 08:36 pm 3

    先日この映画の監督ニキ・カーロの映画「スタンドアップ」を観ました(ブログに感想かいてます)。
    こっちの映画も素晴らしかったので、きっと素晴らしい監督なんでしょうね。
    クジラの島の少女も観てみます☆

  4. arciel 4月 14th 2006 at 11:58 am 4

    >mamiさん
    ブログ読みましたよ~ 女性蔑視の旧態依然とした社会に甘んじず、新しい女性の生き方を伝えることがこの監督の作品には共通しているみたいですね。私も「スタンドアップ」観てみようと思います♪

コメント